先日、私の母校である上石神井中学校で、
PTA会長として光栄にも講演させていただきました。
地域で働く方の話を聞き職業についての理解を深めさせ、
社会に貢献する事の大切さについて考えを深めさせるという目的で
行われている機会です。
講演ではクリーニング職人という職業をえらんだ理由、仕事の楽しさ、
社会にでる前に身につけてほしいこと等に加え、
学生の時に経験したライフセービングを話をまじえてお話ししました。
1、クリーニング職人という職業をえらんだ理由
幼少時代からなんとなく、将来は父のあとをつぐんだろうなぁという
思いもありましたが、正直、当時は家業のクリーニング業に対する思い入れはあまりなく、
ただ単純に学生時代に活動していたライフセービングを社会人になっても
続けられればそれでいいと考えていました。
そんな折り、「家業のクリーニング店を継げばライフセービングも続けられるぞ」
という父の口車にまんまと乗せられたというのが現実です。
家業のクリーニング店を継いだ当初は、特に仕事に魅力も感じず、
世の中は週休2日制が始まり、バブル時代をひきずってボーナス高額支給の時代で、
なんで自分は洗濯やで修行の毎日なのかと周りをうらやましく感じていました。
2、クリーニング職人という仕事のやりがい
そんな自分が、一通り仕事を覚えたところで「しみ抜き」の技術に出会いって興味を持ち始め、
出来るようになると、さらに技術を磨くためにしみ抜き技術の勉強や経験を沢山積むようになり、
どんどん上手くできるようになって、やがて「しみ抜きが自慢」と言えるようになりました。
そして沢山のお客様の「困った」を解決するうちに誰かの役に立っているという自覚が、
仕事のやりがいを増してきいきました。
最初からやりがいのある仕事はどこにもありません。
仕事というのは技術を身に着け、技術を磨き上げ、その技術を必要としている人に提供し
喜んでもらうことでやりがいが生まれるのです。
そこには技術だけでなく、その技術を誰が提供するのか、どんな経験、生き様をしてきた人が
提供するのかが大きく関わってきます。ですから、中学生の皆さんは今から人間性を磨くために
いろいろな経験を積んで失敗をして、生き方に自信と誇りを持てる人に成長してほしいと思います。
それには今できること、目の前にあることに勉強でも、スポーツでも、恋愛でも
一生懸命に取り組んでください。とお伝えしました。
3、社会に出る前に身に着けてほしいこと
中学生の皆さんには、将来、感じの良い人と人様に思われるような人にになってほしい。
人はこれだけでも生きていける。
会社の面接でも「この人と仕事をしたい」「この人なら任せられる」と思われる
印象のいい人になってほしいです。
それには、まず、日頃からあいさつは元気よく、笑顔で目を見てしましょう。
行動は機敏に。いつも姿勢よく。
すぐ身につくものではないので、日頃の積み重ねが大事です。
自分もこの人みたいになりたいなぁという人を目標にして行動していくと、
いずれはその人を超えられるかもしれません。
4、ライフセービングで学んだこと
ライフセーバーの仕事は、おぼれた人を救助することよりも前に、
自然を大切にし、命を大切にし、おぼれる人を出さないように海の知識を啓蒙したり
みんなが海のレジャーを安全に楽しめるように活動することです。
何万人という人をタワーに立つ数名で管理しないとなりません。
みんながタワーのライフセーバーに関心を持ち見ています。常に遊泳客を意識し、
「この人が言うなら従いましょう」、というオーラを放たないとなりません。
それには、元気なあいさつ、毅然とした受け答え、姿勢、機敏な行動があり
ライフセーバーいつでも走って行動します。だらだらしません。
レスキューボードやレスキューチューブなど機材の取り扱いの上達など
つねに視線を感じて行動していました。
ライフセーバーとしたしっかりとした行動をとると、周りの人から認められるようになります。
それが自信や誇りとなり、益々行動に磨きがかかり、技術に磨きがかかり、
たくましくなっていくのです。
まずは、日頃の挨拶や行動、姿勢、から意識を変えていきましょう。
常に見られているという意識を持ちながら・・・・・
皆さんはこれから社会に様々な職業につきます。
思い描いていて希望した職業、仕方なくたどり着いた職業、いろいろな人生を歩みますが、
大切なことは、何を選んだかということが大事なのではなく、
選んだものを正解にすることが大事なのです。
それには、根性も、勉強も、経験も、辛抱も、たくさんの力を今から身に着けて
これから選ぶ人生を、自分の「正解」にしてください。
そんなことを、中学生の後輩達に伝えました。
彼らが大人になった時は、どんな社会になっているでしょうか?
それは僕たち大人の役目ですね。
初々しい後輩達の真剣な表情を眺めながら、
身が引き締まる想いでした。
練馬区上石神井で創業60年の老舗
高級手仕上げクリーニング店【オハナクリーニング】
■営業時間:平日8:00~20:00 日曜10:00~18:00
■電話:0120-087-929(フリーダイヤル)
■定休日:水曜日
コメントをお書きください
鈴木 邦治 (火曜日, 04 10月 2016 07:54)
その努力と人間性が今の幸せにつながっていのだと思います。
簡単にできる職業はほとんどなく、又、悩みのない人間もいないと思います。
サイズがぴったりで真っ白なYシャツとネクタイ姿がとてもお似合いです。
「適材適所」であり、ナンバー1よりオンリー1とはよく言ったものです。
大変でしょうが、皆様お仕事頑張りましょう。そして幸せでありましょう。
吉田茂男 (木曜日, 06 10月 2016 11:42)
鈴木さん、メッセージありがとうございます。
後でメール送りますね。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。
倉島清継 (土曜日, 08 6月 2019 10:04)
吉田さん、はじめまして。倉島と申します。記事を拝見させて頂きました。今年1月2日に自宅が全焼致しました。全く着るが無く焼けた家から想い出のある衣服を回収し少しでも残せるように家内と一緒に洗濯をしましたが染みや匂いがとれません。家族の想い出(軌跡)である写真や画像データや子供たちが表彰された作品や賞状など全て焼けました。唯一、消火活動で水に濡れて残った衣類が私たち家族の想い出(軌跡)の品です。何処のクリーニング店に伺っても、やはり他人事、染み抜きや匂い取りを頑張ってやってみましょうと言ってくださるお店さんは残念ながら焼津にはありませんでした。このような思いをした火災に遭われた方々も多いかと思います。ここで我が家の想い出(軌跡)を復活させ、更には同じ境遇の方達の役に立ちたいと先般感じています。染み抜きや匂い取りの技術者になる為の進路(学習方法)などご教授頂けると幸いです。お忙しい中、たいへん恐縮ですが何卒よろしくお願い致します。
島倉様こんにちわ。 (日曜日, 09 6月 2019 16:35)
倉島様こんにちわ。
大変な経験をされましたね。心中お察しいたします。とともに、これからの生き様にエールを送ります。
お尋ね頂いた、火災の臭いとりについてですが、臭いの元になる煙の細かい粒子をとりのぞくのは現在の技術では難しいのが現実で、私も以前火災の臭いをとるのをたよまれ、臭いとりに効果があるというオゾンを用いたクリーニングをしましたが完全にとるのは出来ず、臭いが残ってしまいました。
シミ抜きについては衣類の素材や、シミの種類によって色々な方法で対処でき、取れるものもあるかと思われます。
シミ抜きの技術を身に付けたいということですが、シミ抜きが得意で沢山の数を処理するお店で従事するのがよいですね。知識以上に失敗も含めて沢山の経験を積むことが一番大切です。失敗しても諦めずに次の作業に果敢に挑むことが大事ですよ。
また、クリーニングの知識を身につけるにはやはりクリーニング学校に通われるのがよいと思います。現在の東京のクリーニング学校は休校となっていますが、東京都クリーニング生活衛生組合同業組合電話03-3813-4251に問い合わせてみてください。
誰かのために、というその志を大切に頑張ってください。応援しています。